経年変化の恩恵が確実に感じられる…
C線の味わい深い響きを是非お試しください
Alfred Vincent ca.1900 London ( 408 ㎜ )
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ヴィオラといいますのは、まず生産数自体がヴァイオリンに比べると元々かなり少ないのですが、優秀な手工品ということになりますと更に少なくなります。そしてその条件を満たすものの中で古いものとなりますと更に更に数は限られてきてしまいます。ですから、古くて良い楽器を探すのは非常に難しいのです。
確かに、低音楽器においては、古い楽器の方が低音が豊かに、まろやかに響くという傾向が多くみられ、 経年変化の恩恵が少なくありません。ですから、つくりの良い、そして状態の良い古い楽器があれば是非選んでみたいものなのですが、そこにいくつか問題はあります。
(これはヴァイオリンでもそういう傾向があるのですが)イタリアモダンの楽器の場合、100年程度の経年では、音が固い場合があります。ヴィオラの場合は重心が高い音、深みが足りない音として聴こえる場合があるかと思います。これは板が厚い、ニスが厚いなど構造上から来ることが多いのですが、オールドイタリアンとはかなり傾向が違っています。 それでもイタリアの楽器は、イタリアというだけで、かなり高価なものとなります。これだけは確実なことなのです。
この楽器は、イギリスの楽器ですので、年代の割に価格は随分お手頃になっております。おそらくこれがイタリア製だったら、1000~1500万円は下らないでしょう。
そして、上記のようなイタリアモダンに散見する音の固さ、重心の高さはなく、イタリアオールドに近い味わいを感じさせてくれるものとなっております。まさに経年変化の恩恵を感じさせてくれるものと言えるでしょう。つくりも画像からおわかりのように、全体のバランスが良く、かつ堂々としたものです。
高価なイタリアモダンの楽器に音で失望気味の専門家の方、専門家を目指されている学生さんたち、また室内楽、オーケストラで活躍され一段上の性能、味わいの楽器を手に入れたいと考えられているアマチュア奏者の方たちへ是非お勧めしたい楽器です。