イタリア新作、Corrado Belli、そしてモダンイタリーのヴァイオリンをお探しの方へ
ここのところヨーロッパからの輸入品はユーロ高の影響で軒並み値上げになってきていますね。それは弦楽器業界も例外ではございません。
弦も9月1日から値上げになりました。(注:H20年9月現在での記述です) ドミナントの価格は10年前と比べると倍になっていますね。小物とはいえ積もり積もればその影響は少なくないはずです。
まして、楽器となりますと金額が金額ですので値上がりの影響は驚くほどのものがございます。
そういった中で一時のユーロ高の影響を受けずに仕入れることができた楽器をご案内いたします。
先日、たまたま、この CorradoBelli に力を入れて継続的に輸入している楽器商(卸)と話す機会があったのですが、最近仕入れたヴァイオリンは小売価格350万円(税別)を基準に卸価格を決めているとのこと。彼のヴァイオリンが寡作であることに加え、一時猛烈に上がったユーロ高が更なる価格上昇に拍車をかけたものと思われます。
Corrado Belliの経歴についてはもはや解説は不要と思われますが、重厚なボディのつくり、くっきりとした裏板の杢そしてそれを生かすように塗られた厚く透明なニスはまさに工芸品といえるでしょう。裏板の杢は、手に触れると凹凸がはっきり感じられ目だけではなくそのダイナミックさを肌で感じることができます。
特にこのヴァイオリンは作られて10年が経過し、数年間はプレーヤーによって弾きこまれていた楽器なので、ニスはもはや安定し、色や質感はまさにモダンイタリーの名器を彷彿とさせます。 その代わり、傷や顎当ての跡などが多少付いてしまっていますが、それは言わば「貫禄」のようなものであって、むしろ「優れた道具の証」とも言えるのではないでしょうか。 (楽器の最近の姿はこちら CorradoBelli 1998 Cremonaです。)
この手の板やニスの厚いヴァイオリンは鳴らしにくいことが多いのですが、経年変化の恩恵、演奏家の弾きこみによって、それは極めて軽減されています。
豊かな音量、たくましい低音、そして透き通るような高音。並みのモダンイタリーでは到底このレベルには達することはできません。
熟成が進みまさにこれからが美味しい時期のヴァイオリンだと言えましょう。