Joachim Schade到着!
ご好評をいただいております Joachim Schade
サラサーテの15周年記念に合わせまして緊急に2台ほどご用意いたしました。
Antonio Stradivari 1715 “Titian” Copy Sold
“Titian”はグリュミオーが初期に使っていたことがあるStradです。
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Guarneri del Gesu 1736 “Cessole” Copy Sold
(画像上でクリックすると拡大します )
Joachim Schade Halle (1934~)
現代ドイツの名工Joachim Schade サラサーテ15周年企画に間に合いました
2011年夏、2012年春にお試しいただいた方々は口々に「これが新作楽器の音とは信じられない」、「どうしたらこんな楽器が作れるのか」と おっしゃられていました。
新作と言えばクレモナ新作、ドイツと言えば量産品しか触れる機会のない現在の日本のお客様にとっては新鮮な体験だったのだと思います。
一方、古くからSchade のことをご存知だった方々にはどうして今手に入るの?と不思議がられたりしております。
現在不定期に入って来ますが、入荷した際にはこうしてご案内しております。
2012年春の様子
2011年夏の様子
イタリアの楽器の陰に隠れて日本ではいまひとつ目立たない存在の Joachimu Schade ですが、その人気、実力は現地では相当なもの。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ウィーンフィル等の奏者に愛用されていることはご存知でしょうか。代表的なプレーヤーにはカール・ズスケ、ゲルハルト・ボッセなどがいます。
アッカルドの著書『ヴァイオリンを語る』の中にも東ドイツ(当時の呼称)にシャーデという名匠がいるとの記述がありました。
実は日本国内でも演奏家からの評価は以前から高く、ソリストのセカンド楽器として、またオーケストラプレーヤーのメイン、セカンド楽器として使用されております。ただそのことを明かす人は少ないので、隠れた現代名器となっているのです。
輝かしさがありながらも深い柔らかい響きを併せ持つその多様なサウンドは演奏家、聴衆を必ず魅了します。外観のみならず、音の点でもオールド名器と持ち替えても全く違和感がないのです。
なお、Copy元のモデル名がはっきりしていることも多いのですが、Schadeの作り方はいわゆるレプリカと呼ばれるようなオリジナルの楽器の傷の位置や裏板の杢まで忠実に近づけようとするものではありません。ですからオリジナル(コピー元)が同じでも楽器の見た目は結構違って見えることも少なくありません。
Copyと言っても、外観の忠実度を目指したわけではなく、その楽器にインスパイアされ、最後にSchade流の味付けが成されるといったものとなっています。
その味付けはまさに老練と言えるもの。もちろん楽器ごと、モデルごとに音は、個体差、個性の違いを感じますが、それらはやはりトータルとしてはSchade流の音にまとめられています。ですからどの楽器を弾いても安心して弾くことができるのです。
直接的な音圧ではなく、響きで聴かせる。そういう傾向の楽器です。ですからゴリゴリと弓圧で音量を出そうという方には向きません。そういったところもオールド名器に近いところです。反応は軽く速いので、真のppを出すことができます。低弦の深さ、温かみはSchadeの真骨頂でしょう。
コンクールでは音が大きかったり、速く弾けたりすると聴き映えがして有利なのではないかという迷信があります。それで最近は皆さんとにかく音量のある楽器をお求めになる傾向があるのでしょう。
確かに100人場合によってはそれ以上の参加者の演奏、しかも同じ曲をただひたすら聴かなければいけない審査員は、決してあってはいけないことだと思いますが、意識がちょっと朦朧とする瞬間が訪れるかもしれません、 そういったときに、前の奏者よりも音が大きかったり、速く弾いたりすると聴き映えのする演奏という良い評価を与える可能性は否定できません。ただそれは一時的なもので、真の評価ではありません。そういったことで競い合うのならば、音量は音量に負けます。速さは速さに負けます。でも音楽というものはそういったものではないはずです。中身のある演奏すなわち音楽の内容や音色の使い分け等、その演奏家の個性が感じられる演奏はその人固有のものとして、他の誰にも負けるものではないのです。
音は大きい演奏は最初こそ聴衆をハッとさせられるかもしれませんが、その後音色が単調だときっと2、3分も聴けばその演奏に飽きてしまうと思われます。一方、音楽の中身のある演奏はその人独自のものとして、決して飽きることがありません。次はどんな弾き方をしてくれるだろう。次はどんな音色で弾いてくれるだろうと期待を持ってこちらから聴きにいってしまうことになるので、決して飽きることがないのです。
もちろん、音量はある程度は必要です。鳴らない楽器=性能の悪い楽器は諸悪の根源だと思います。しかし、音量が大きい楽器の中に、音色が単調な楽器、ニュアンスに乏しい楽器があることも事実です
徒に楽器に音量の大きさだけを求めることは、内容が希薄な演奏を披露することになりかねないということに気がついていただきたいと思うのです。そういった楽器では演奏家の表現力が乏しいと評価されてしまうかもしれません。
Schadeを試奏した方が皆一様に新鮮な驚きを持たれたのは、 Schadeが音楽はやはり内容で勝負すべきだということを、私たちに改めて気づかせてくれたからではないでしょうか。
Schadeに持ち替えた音高生。次のレッスン時にP先生(フランス人)に言われたことが「何だか今日は楽しそうに弾いているね」だったそうです。
どの楽器も(モデルとなった楽器のオリジナルのラベルが入ることがありますが)製作者の焼印のみで、本人のラベルは入りません。ですから製作年については正確にはわかりません。 それがSchadeの特徴でもあります。証明書は本人の署名入りのものをお付けすることはできます。
試奏のご予約は:info@sarasate.net へどうぞ