価格:¥ 1,000,000(税込)
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fece in Casalmaggiore ( J.B.Guadagnini 1744 Copy )
宮川さんの最新作は J.B.Guadagnini のコピー 、アンティーク仕上げのヴァイオリンです。以前にもアンティーク仕上げの楽器は宮川さんは作っていますが、年々その仕上げの習熟度は増してきているように思います。この楽器のモデルとなったオリジナルの Guadagnini は近くに住む方が所有しているのだそうで、度々傍らに置きながら作業したとのことです。
アンティーク仕上げをリアルに見せるためには、いくつかのポイントがあると私は思うのですが 、そのひとつは表板の冬目の出し方だと思います。
これが弱いと古い楽器に見えにくいですし、逆に強く濃すぎるのも不自然に映ってしまいます。その辺がクルマのCMではないですがこの楽器はまさに “ちょうどいい” 具合なのです。
音造りに関しては、このようなアンティーク仕上げ、レプリカ仕上げの楽器ですと、板を薄くして、いかにもオールド風の音を演出することもあるのですが、宮川さんはこの楽器においてはそういった手法は取っておりません。むしろ板はしっかりと厚めをキープしているように見えるのですが、出てくる音は、決して板が厚い楽器の音ではありません。
その辺の秘密を宮川さんに聞いてみたのですが、にやっと笑って「まあ、楽器の内部の構造を色々研究しましたから」と答えられただけでした。詳しくは企業秘密といったところでしょうか。名器の修理、修復の腕前でイタリア中に名を馳せた宮川さんならではのノウハウの蓄積がきっとあるのでしょう。もっとも、私がそれを知ったとしても私が作れるはずはないのですが・・・