イタリアモダンヴァイオリン こんな SestoRocchi を見たことがあっただろうか!
モダンイタリアヴァイオリン、Sesto Rocchi 1956
この製作者Sesto Rocchi のヴァイオリンですが、巷で良く見るのは1970-1980年代の楽器が多いかと思います。
しかし、私は、このヴァイオリンを始めて見たとき、まずSesto Rocchiのものとは全然わかりませんでした。それは、上記の良く見るヴァイオリンのつくりとは全く違って、もっと格の上の、はるかに優れたヴァイオリンに見えたのです。
その後に調べてわかったのですが、1950年ごろというのは、偉大な製作家 Gaetano Sgarabotto 、Leandro Bisiachの下でまだまだ勉強していた時期で、なるほどそう言われてみれば、それらの師匠の影響が色濃く残るヴァイオリンです。
例えばコーナーの尖らせ型やf字孔などはSgarabottoからの影響を思わせ、裏板の材料の選択などはBisiachからの影響を思わせます。ですから、ぱっと見た時に誰のヴァイオリンかがわからず、まして、Sesto Rocchi作のヴァイオリンだと言われたところでピンと来なかったのです。
そして音も、先に書いた良く目にするSesto Rocchi の70年代、80年代の鳴らしにくいものとは違い、モダン、しかも1956年という比較的若い年代なのにオールドのような深い音がします。使い込まれた楽器のようには見えますが、材料も古いのでしょうか、見た目も1956年には見えません。もっと年代の古いヴァイオリンのように見えます。
これはそのつくり、作風から Sgarabotto あるいは Bisiach の名で世に出されてしまっていてもおかしくないヴァイオリンでしょう。まさにモダンイタリーの名器と言えるでしょう。
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