9.ついに防音室完成、測定結果
完成し、ピアノを搬入したところ。
右のドアが出入口のドア。正面に見えているドアはウォークインクローゼットのドアになる。
このレポートでは詳細を書かなかったが、ピアノの搬入経路についてはちょっと注意を要する。
というのも、防音室を作ると壁の厚みやドアの幅が従来の部屋と変わってしまうからで、廊下の幅によってはピアノがスムーズに回れないこともある。
事前にピアノの大きさを正確に測って、搬入については充分にシミュレーションしておく必要がある。
床が直貼り工法だったために、浮き床を作ると段差がこれだけ発生した。
バリアフリーの家の中で、唯一バリアアリーの箇所になってしまった。
ただ、ピアノを置かなければ、あるいは置くとしても電子ピアノ等であれば、ここまでの浮き床を作る必要はないと思われる。
完成後、Play tone さんの方で防音性能をチェックしていただいたが、測定の結果問題無しとのこと。試しに実際に夜中に廊下側から窓越しにヴァイオリンの練習音を聴いてみたが、ガラスに耳を近づけても全く聴こえない。これなら深夜の練習も安心である。
家の中(防音ドア前)で音が聴こえるのは計画通り(想定内)、しかし離れた部屋(リビング)には聴こえてこない。近くに行けば練習しているかどうかがわかるが離れた部屋からはわからないという絶妙の環境が作り出せた。
もちろん、防音室の前でも音が聴こえてこないようにしたければ、防音ドアをもう1枚追加すれば良い。
家具も何も無いこの状態で少し音を出してみたが響くこと響くこと。天井がそう高くない小さな部屋にもかかわらず、まるで教会で弾いているような長い残響を伴って楽器が響くのにはちょっと驚きである。
ただ、この状態ではあまりに響き過ぎて練習にはどうかと・・・
部屋作っていただいた Play tone さんに音を聴いてもらったところ家具を入れて、床にラグを敷いたりクッションを置いたりすると響きは随分と落ち着いてくるので安心してくださいとのこと。
しかし珪藻土の効果は充分生きているようで、空の部屋の状態でも定在波(フラッターエコー)がそう強く出ていないとのこと。通常のクロス張り仕様だとまずこの状態で手を叩くといわゆる鳴き竜現象が起こるそうである。それが起こらないのは明らかに珪藻土の効果だと Play tone さん自身もその違いに驚かれていた。
次回(最終回)は防音室が故の注意すべき点、付随する設備等についてまとめてみたい。