アンサンブルdeヨコハマ 東日本大震災支援チャリティーCD
定期演奏会ライヴ録音/於:横浜みなとみらい小ホール
ADLC-1111 ¥1,000(税込)
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲 ヘ長調 Op96 「アメリカ」第1楽章
VnI 清岡正子 VnII 小澤郁子 Va 福本とも子 Vc 間瀬利雄
録音:2006年 3月16日
ダンツィ:ファゴット四重奏曲 ニ短調 Op40-2
Fgシュテパン・トゥルノフスキー Vn小澤郁子 Va 恵谷真紀子 Vc間瀬利雄
録音:2010年 10月31日
シューベルト:ピアノ五重奏曲イ長調 「鱒」 D667 Op114
Pfクヴィタ・ビリンスカ Vn渋谷由美子 Va恵谷真紀子 Vc間瀬利雄 Cb柴田乙雄
録音:2009年 12月5日
プロデューサー/成瀬志保 エンジニア/宮下雄二
同じ横浜ということで今回この東日本大震災支援チャリティーCDの販売協力のお話をいただいたのですが、販売収益金を義援金として「被災地へピアノをとどける会」へ寄付するとの趣旨に賛同し、私も微力ながらこのCDの販売のお手伝いをすることとなりました。皆様も機会がございましたら是非このCDをお求めになられて演奏をお聴きになられてみてください。
まずこのCDは録音の素晴らしさに触れなくてはいけないと思います。
CDの音、オーディオの音であることを忘れさせてくれる自然で瑞々しい響きが再生ボタンを押すと同時に流れ出しました。私はそれにまず驚きを禁じ得ませんでした。
みなとみらい小ホールは豊かな響きで定評のあるホールですが、それだけに、残響過多で、録音の仕方によっては演奏の細部の明晰さが損なわれてしまうことも少なくありません。聴きに行ったときに、聴衆の入り具合、席の位置で随分と残響の量が違うことを実感しております。ですからこの響きを生かした録音というの
は結構難しいのではないかと思うのです。
ところが、このCDはライヴという制約にも関わらず、楽器の音とホールの響きのバランスが絶妙に取れていて、まさにみなとみらい小ホールの最上席に居るかのごとき、極上の音響を存分に楽しむことができます。
ヴァイオリンの高音の伸び、ファゴットのまろやかな響き、張りのあるヴィオラ、チェロ、バスの豊かな広がり。ことさらに定位感を強調した録音ではありませんが、それがライヴらしさをよく出していると思います。
また、演奏者もファゴットのトゥルノフスキー(ウィーンフィル首席)、ヴァイオリンの清岡正子(ミュンヘンフィル)、ピアノのビリンスカ(プラハ音楽院教授)と国際色豊かな名手ぞろいです。珍しいファゴット四重奏が聴けるというのも貴重です。
残念なのが、おそらく収録時間の関係なのでしょうが、ドヴォルザークの弦楽四重奏「アメリカ」が1楽章だけしか入っていないこと。格別の名演奏だっただけに惜しいと思います。