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スズキ・エヴァーグリーン| 鈴木鎮一 ヴァイオリン指導曲集| 西崎崇子

鈴木鎮一 ヴァイオリン指導曲集 西崎崇子

NAXOS 8.572378~8.572494(分売)
スズキ・エヴァーグリーン 第1集~第7集
(鈴木鎮一 ヴァイオリン指導曲集 第1巻~第8巻)
ヴァイオリン:西崎崇子  他

日本での代表的なヴァイオリン教本の一つとして、スズキメソード鈴木慎一ヴァイオリン指導曲集があります。これは1巻から10巻までありますが、教則本や練習曲という性格のものではなく、その名の通り、曲集です。スズキメソードに基づいて指導していないヴァイオリン教室においても、曲集として広く使われています。色々な曲が入っていて、子供を飽きさせないようにできているからでしょう。
私が子供のころは楽譜にフォノシート(ソノシート)というぺらぺらの薄いLPレコードが付いていましたが、今はもちろんCDが付属しています。ですから演奏としてはそれを聴けば良いのですが、違った人が弾くと違った演奏になる(曲の解釈は色々である)ということを知るにはこのNAXOSのCDを持っていても良いでしょう。
CDの第1集が指導曲集の第1巻、第2巻に対応しています。その後はCD第2集が曲集の3巻、CD3集が曲集の4巻と以下CD7集=曲集8巻というように対応しています。

このNAXOSから出ているCDの素晴らしいところは、鈴木慎一が編曲した楽曲に対しては、その元となったオリジナルの原曲を収録していることです。ですから、それを聴きますと音が微妙に違っていたり、調整が違ったり、そもそも楽器がヴァイオリンで演奏されていなかったりと、私が聴いても結構新鮮な驚きがありました。きっと幼いころからのこの曲集の普及のおかげで、編曲の方をしっかりと刷り込まれてしまっているからでしょうね。わざわざオリジナル曲を探して、子供に聴かせると言ってもなかなか大変ですから、これはなかなか粋な計らいと言うべきでしょう。

ここでヴァイオリンを弾いている西崎崇子はNAXOSに数多くの録音がありますが、実はNAXOS社長の夫人。おそらく彼女がスズキメソードの第1期生ということで、この企画が立てられたのでしょう。演奏は規範となるべく極めてオーソドックスなものですが、決して無機的なものではなく、1期生から未来の子供たちへの愛情に満ちたものになっているのではないかと思います。
今さらっている曲のオリジナルを聴いたとき(場合によってはオリジナル=ピリオド楽器でも演奏されていますが)、現代っ子たちはどんな反応を示すのかちょっと興味がありますね。