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ダヴィド・オイストラフ|ドビュッシー ヴァイオリン・ソナタ |CD

ドビュッシー  ヴァイオリン・ソナタ : ダヴィド・オイストラフCD

PROC-1200
ドビュッシー  ヴァイオリン・ソナタ  ダヴィド・オイストラフ

ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
プロコフィエフ:5つのメロディ
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ト長調
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.27の3《バラード》

ヴァイオリン:ダヴィド・オイストラフ    ピアノ:フリーダ・バウアー
録音:1966年4月2-4日

オイストラフがドビュッシーのソナタを録音していたとは知りませんでした。
これもタワーレコードのオリジナル企画の一環で、この録音は1988年に一度CD化されたのみで、その後は再発売されていなかったとのこと。実に24年ぶりの再発売ということになります。タワーレコードはこういった埋もれた名盤の発掘、再発売に積極的ですので目が離せませんね。

さて、そのドビュッシーの演奏ですが、フランスのエスプリを感じさせる演奏というよりは、暖かい美音に包まれたオイストラフ流の味付けによる格調高いものです。
気の向くままに弾き飛ばしてしまう感覚的な演奏ではなく、楷書風のドビュッシーと言えると思います。
この傾向はラヴェルのソナタでも同様で、例えば2楽章「ブルース」でも決してよたったりはしません。真面目過ぎると言えばそうかもしれませんが、節度を持って崩して弾くのは結構難しいものです。やり過ぎということが少なくないからです。それではラヴェルの意図した方向から外れて行ってしまうことになりかねません。そういう意味ではこういったオイストラフのアプローチはむしろ好ましいのではないでしょうか。
無窮動的な第3楽章においては、細かい音符が驚くべき均一さ、明晰さで弾かれ続けることに、きっと驚かれることと思います。このように不明瞭さやごまかしを全く感じさせない演奏は聴いたことがありません。

このCDにはイザイの《バラード》も収録されていますが、これは以前の記事、イザイ 無伴奏ソナタ第3番“バラード” でご紹介したモノラル録音ではなくステレオ録音によるものです。モノラル録音同様立派な演奏です。
イザイのバラードがステレオ録音されていたことも今回初めて私は知りましたが、買いやすい日本盤でしかも録音の良いステレオでオイストラフのイザイが聴けるのは朗報と言えるでしょう。

オリジナルマスターからのハイビット・ハイサンプリングが功を奏しているのかもしれませんが、録音はこの年代のものとしては聴きやすいものと言えると思います。