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ルノー・キャプソン|ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ全集

ルノー・キャプソン、ベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタ

EMI Virgin / 642001

ベートーヴェンのヴァイオリンソナタというと作曲家の個性もあり、どうしても激し過ぎる演奏が多いように思うのですが、このルノー・キャプソンそしてフランク・ブラレイの演奏は実に優雅で甘美です。

現在キャプソンが使用しているヴァイオリンはアイザック・スターンが所有していた1737年製グァルネリ・デル・ジェス“Viconte de Panette”。これはスイス=イタリア銀行(BSI)によって寄贈されたものです。

実際にトッパンホールでこの人の演奏を生で聴いたことがありますが、確かに楽器が良く鳴っていました。以前は確かストラド(クライスラー)を弾いていたと思うのですが、その頃よりも(と言ってもそのストラドは生では聴いていませんが)このデル・ジェスの方が彼に合っていそうですね。

CDの録音はこの素晴らしいヴァイオリン、グァルネリ・デル・ジェスの音を見事にとらえたものです。生々しいヴァイオリンの音が演奏家の息遣いとともに眼前にくり広げられます。しかしギスギスした感じが全くしないのは美しいホールの残響をたっぷりと取り入れているためでしょうか。絶妙のバランスです。

全集の中でのお薦めは6番、10番、3番など。特に6番の2楽章が美しいです。
さすがに9番クロイツェルなどはもっと表現に強さがあっても良いかと思いますが、こういったベートーヴェンも時にはよろしいのではないでしょうか。