ヴァイオリン&ヴァイオリニスト
古今東西の名手と名器たち
音楽の友 編
音楽の友社
ISBN 978-4-276-96238-5
19~21世紀のヴァイオリンの巨匠たち
ヴァイオリンとヴァイオリニストの血脈を探る
ヴァイオリンの銘器たち
世界の名ヴァイオリニスト
ヴァイオリン工房を訪ねて
日本の名ヴァイオリニスト
作曲家別 ヴァイオリンの名曲とそのスペシャリスト
これは日本、海外のヴァイオリニスト363人を網羅する事典的な書籍と言って良いでしょう。
ただ、「古今東西の名手と名器たち」というサブタイトルから連想されるような(私だけの勝手な連想だったのかもしれませんが)各々の演奏家がどんな楽器を使っていたかというような内容は全く書いてありませんでした。その点からは前にご紹介した偉大なるヴァイオリニストたちの方がはるかに面白いと言えます。
しかしながら、ヴァイオリニストの経歴等を調べるには大変便利です。これほど多くの演奏家について記された書物はかつて無いでしょうから。
ただ、残念なのは先に書いたことばかりはなく、ヴァイオリンに関する記述内容の浅さでしょうか、例えば「ヴァイオリン工房を訪ねて」とはヤマハのことで、ヤマハしか載っていません。別にヤマハを悪く言うつもりはありませんが、それしか載っていないというのは肩すかしを食ったような気がいたします。
しかもそれは記事風の広告のような内容で、私も知らないような現代のヴァイオリンづくりの名工の話が読めるのかと期待していたので、ちょっとがっかりですね。フリーペーパーではなく、1800円も出して買う書籍なのですから、このような広告臭がするのはいかがなものかと思いました。
題名と項目だけを見て、内容を見ずに買った私が悪いのですが、どちらかと言うと、この本は「ヴァイオリニストの経歴」に重点を置いて書かれている本だと思います。
Amazonなどで内容を見ずにご注文されずに、書店で内容を良くチェックされご納得の上でお求めになるのがよろしいのではないかと思います。