MM-2086
ヴィオラ・アマービレ
J.S.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ト短調BWV1029
ブラームス:ヴィオラ・ソナタ第2番変ホ長調op.120-2
ヒンデミット:ヴィオラ・ソナタop.25-4
R.クラーク:ヴィオラ・ソナタ
ヴィオラ:清水直子 ピアノ:オズガー・アイディン
録音:2010年 8月(ライブ録音)
横浜フィリアホールでのリサイタルのライブ録音です。ジャケット写真には古い楽器が写っていますが、清水直子は確かStephan von Baeh というパリ在住の人のヴィオラを使っているはずですので、リサイタルでもその楽器を使ったのではないかと思います。(以前に同ホールで演奏したときは私も聴きに行ったのですが、その時は確かその新作を弾いていたと思われます。)そのヴィオラにつきましてはViola清水直子さんとの共演でその姿を見ることができました。
録音は客席ノイズなどをほとんど感じさせないクリアなもので、まさに最上の席で聴いているようなライブ空間が眼前に広がります。ホールトーンはかなりたっぷりと録られているのですが、ヴィオラの音の粒立ちははっきりとしています。弾いている楽器のせいもあるのでしょうが、特に高音域の音の伸びが素晴らしく、その美音をたっぷりと楽しめます。
この4曲の中ではレベッカ・クラーク(1886-1979)のヴィオラ・ソナタが演奏、曲ともに特に魅力的でした。このクラークという人はヴィオラ奏者兼作曲家だったということで、だからヴィオラの美味しいところを充分知っていたのでしょうね。聴きやすく、そして大変充実した内容の曲だと思います。今後ヴィオラ奏者の重要なレパートリーとなることでしょう。
清水直子はオイストラフのヴィオラの記事でも書いた桐朋学園のヴァイオリン出身者の一人。1993年にヴィオラに転科しますが、95年マルクノイキルヘン国際コンクール優勝。96年ジュネーヴ国際コンクール最高位。97年ミュンヘン国際コンクール第1位受賞と素晴らしいコンクール歴を持っています。現在はベルリンフィルの首席ヴィオラ奏者として活躍する一方、ソリスト、室内楽など世界各国で活発な演奏活動をしています。
共演のピアノのオズガー・アイディンは私生活に於いても彼女のパートナー(夫)です。