薔薇の騎士 篠崎史紀
AKANE-1019
J.J.ラフ: 6つの連作小品~第3番カヴァティーナ
クライスラー: ウィーン小行進曲
K.ワイル/T.クリスティアン編: 歌劇「三文オペラ」~モリタート(マック・ザ・ナイフ)
アイルランド民謡/クライスラー編:ロンドンデリーの歌
エルガー:愛の挨拶
アレンスキー:セレナーデ
ゴセック/前山仁美編:ガヴォット
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
M.ポンセ/山田武彦編:エストレリータ
パラディス/山田武彦編:シチリアーノ
F.ヴェチェイ:悲しいワルツ
シューベルト/M.エルマン編:セレナーデ
R.シュトラウス/V.プシホダ編:「薔薇の騎士」~ワルツ
レハール/篠崎史紀編:メリー・ウィドウ・ワルツ
ジーツィンスキー/篠崎史紀編:ウィーン,わが夢の街
モンティ/前山仁美編:チャールダーシュ
フォーレ/M.エルマン編:夢のあとに
ヴァイオリン:篠崎史紀 ピアノ:山田武彦 録音:2010年 8月
本日のCDはMAROの愛称で知られるNHK交響楽団の第1コンサートマスター、篠崎史紀のソロCDです。
篠崎史紀は風貌こそ独特ですが、極めて音楽に対する姿勢は真摯かつオーソドックスです。そのあたりはその 篠崎のエッセイ、ルフトパウゼ からもうかがい知ることができると思います。
2004年1月から銀座の王子ホールで“マロワールド”が始動し、ロマンチックな世紀末ウィーンの再現を目指して公演を重ねていますが、いわばこのCDはそのソロ版といったところでしょうか。
どの曲を聴いても、洒落た歌い回しにうっとりとさせられますが、決して濃厚すぎることはありません。真剣にスピーカに対峙して聴いても良いし、聴き流しても心地良いというような演奏です。
なかでも、師トーマス・クリスティアンがリサイタルのアンコールに愛奏していたというヴェチェイの悲しいワルツ、(何とこの人にシベリウスがヴァイオリン協奏曲の献呈しているそうです)レハールのメリー・ウィドウ・ワルツが、篠崎の思い入れも格別のものがあるのでしょうか、いっそう素晴らしい出来のように私は思いました。
録音は中域中心で、高域の抜けやワイドレンジを強調したものではありませんが、篠崎の甘美なヴァイオリンの音色が良く録られていると思います。