弦楽器フェア
'97年弦楽器フェアが11月1日~3日、東京の科学技術館で開催されました。
この様子をご紹介致します。
弦楽器フェアは、日本弦楽器協会が主催し、毎年開催されています。
日本弦楽器協会には、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、楽弓は正会員のうちの37人、準会員からは46人の作品が展示されました。
会員の殆どは、個人工房の方々です。
日本の優れた職人達の新作ヴァイオリンを一堂に会す機会はまずないので大変貴重なイヴェントです。
好天にも恵まれ(人にとっても、楽器にとっても有り難い)多数の来場者で賑わっていました。
来場者は、めいめいのお得意な曲で楽器を1台1台試していましたが、じっくりと弾きくらべられる雰囲気がないのが少し惜しい気がします。
受付でもらった資料によるとヴァイオリンの価格は60万円~170万円と記載されていました。
日本の楽器の販売価格は、高いというイメージがありますが、必ずしも高い値段をつけていたという感じは受けませんでした。
しかし、有名なコンクールで賞を取った製作家のヴァイオリンが文句なく素晴らしいかというと そうでもないところがヴァイオリンの面白いところでもあり、難しいところでもあります。
外国人製作者ブースの紹介
外人勢では、イタリアバイオリン製作者協会が多数の新作ヴァイオリンを展示していました。
シメオーネ・モラッシやダニエル・スコラーリらも宣伝に余念がなく、 今やイタリア新作にとって日本は重要なマーケットであることの証となっています。
また、ある法人ブースではイタリアンメーカによる製作実演コーナーが開設され来場者を楽しませていました。
ニス塗りや、スクロール(渦巻)削りを目の当たりにして、改めて、職人さんの「匠の心」が伝わってくるのを感じました。
希望と感想
自分なりに好きな音を見つけて、それを作った人との交流が深められる場であると感じたのですが、 そのようにだれもが感じられるよう更なる努力して頂きたいと思っております。
来場している人は、毎年来ている常連ばかりという感じを受けましたので、 やはり、趣味でヴァイオリンを作る人達ばかりでなく、もっと、弦楽器愛好者に広く知らせていただきたい。
日本の製作家にももっと頑張っていただき、国内の演奏家ももっと彼らにオーダーが出せるようになれば 日本人の作った楽器の値段ももっと下がってくると思うのです。
またそうならなければと思い会場を後にしました。