バイオリン(ヴァイオリン)販売・専門店・
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ヴァイオリンの選定、誰もが陥りやすい罠 (相談相手の選択について 3)

インテルメッツォの第21回です。

今回も引き続き、よくある3つの行為(相談、研究、比較)の誤り について、私の独断と偏見を展開していきたいと思います。

前回までのおさらいですが、 相談相手として、

1)ヴァイオリンの先生

2)学校の先輩

3)最近楽器を購入した仲間

4)楽器店の人間

が選ばれるケースが多いことをお話ししました。

今回は3)の問題点について検証して参りましょう。

最近、楽器を購入したというと、 自分よりは弦楽器事情に明るいような 気何となくしてしまいますが、 弦楽器およびそれを扱う店の現状としては

・弦楽器専門店は小規模で無数に存在している

・弦楽器は基本的に1点もので多ブランドである

・弦楽器は(たとえ同じ製作家のものであっても)1台1台の個体差がかなりある

・量産品と手工品が混在している

という状況なので、数台の楽器、数軒の弦楽器店を見ただけでは、とても弦楽器全体の品質、価格等の状況を把握したとは言えません。

最近購入したといっても、おそらく数台の中から楽器を選んだという人が大半でしょうから、それだけでは必ずしも現在の弦楽器、弦楽器店について詳細に把握している人物とは言えない訳です。

これは非常に特別な方だと思いますが、購入するまでに何と350台ものヴァイオリンを見たという方にお会いしたことがあります。 それぐらいご覧になれば、職業人並みの数をご覧になっていると思います。それらのデータをきちんと頭の中に入れておかれれば、直感的に楽器の良し悪しが判るようになると思います。

ただそこで大切なのは本当に良い楽器を見ているかということです。

量産品はA社とB社と、たとえ国籍が違ったとしても、 本質的には、大きな差が認められません。 それどころか、ニスの塗りだけを変えただけで、全く同じ物(白木=ホワイトヴァイオリン)を使用しているケースも あります。

量産品だけで見比べていても楽器を見る目は養われないのです。手工品のそれも良い物をどれだけ見られるかが大事なのです。

また、前回ご説明いたしました「先輩」のケースと同様、人の楽器選びに付き合うことほど楽しいものはない。という法則がここでも当てはまります。

弦楽器専門店というところの多くは、 どう見ても、ひやかしで行ける雰囲気にはありません。
でも貴方に付いて行けば、楽器が沢山見られる。そして自分はそれらを買わなくて良い。
また販売するのは楽器店だから薦めた楽器に対しての責任も持つ必要もない。
楽器は色々見られるし心理的にも楽だ。こんなに面白いことは滅多にありません。
いわば あなたはダシに使われているだけ かもしれないのです。

最近楽器を購入した仲間といえど、楽器を見る目は貴方とほぼ同レベルであって、 ただ好奇心で楽器選びに付いて来るだけの可能性も充分ある、ということをどこか頭の隅にでも置いておいてください。

次の更新は15日ごろを予定しております。 どうぞご期待ください。