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ギル・シャハム / ザ・ フィドラー・ オブ・ ジ・ オペラ

ザ・フィドラー・オブ・ジ・オペラ (グラモフォンPOCG-10034)

-ヴァイオリンとピアノによるオペラの名旋律をメドレーにした楽しいアルバム-
ザ・フィドラー・オブ・ジ・オペラ CDジャケット
5月25日発売  演奏 ギル・シャハム
(Gil Shaham)

実に楽しいディスクである。軽妙とはこの様な雰囲気を言うのだろうか。
例えばロッシーニ/テデスコ(ハイフェッツ版)のフィガロ~「セヴィリアの理髪師」からを
加藤知子盤(COCO-80478),コーガン盤(DMCC-24011)と聴き比べてみると良く分かる。
加藤盤は丁寧に弾かれているが、やや重いというか、粘っこいというか、 このオペラの雰囲気とは
ちょっと違う印象である。

コーガン盤についてはライブ録音のせいもあるのだろうが、
大変緊迫した緊張感あるれる演奏でユーモアに不足するきらいがある。
このシャハム盤では、まさにぴったりオペラの雰囲気にはまっている。
それを可能にしているのは、恐るべきテクニックのおかげなのだが
それが決して前面に出てこないことが、また素晴らしい。

更に、最近の若手演奏家にありがちな
「テクニックはあるんだが、ちょっと音色が冷たいね」ということがない。

おすすめは、このロッシーニ/テデスコの他、サラサーテ モーツァルトの 「魔笛」による幻想曲、
(左手のピッチカートの技術に注目!!)歌に満ちたガーシュウィン (ハイフェッツ編)歌劇「ポーギーとベス」などである。
(ハイフェッツのぐいぐいと引っ張っていくアプローチに比べ、こちらは随分しなやかである。)

とにかく、一聴の価値あり。

シャハムの楽器については(POCG-1013)シャハム・ヴァイオリンリサイタル盤 解説書に
ガルネリ・デル・ジェスをこのレコーディングに使用したと記載があるのみである。

尚、私の所有しているシャハムの他のCDを調べました。

◆ シャハム・ヴァイオリンリサイタル ポリドール POCG-1013
◆ ヴィエニャフスキ ヴァイオリン協奏曲 1.2番 他 ポリドール POCG-1490
◆ パガニーニ ヴァイオリン協奏曲 1番 サンサーンス ヴァイオリン 独グラモフォン 429 786-2
◆ プロコフェエフ ヴァイオリン協奏曲 1.2番 他 独グラモフォン 447 758-2
◆ バーバー ヴァイオリン協奏曲 コルンゴルト ヴァイオリン協奏曲 他 ポリドール POCG-1782
◆ パガニーニ・フォー・トゥー ポリドール POCG-1736

この中では プロコフィエフの協奏曲が特に気に入っています。