バイオリン(ヴァイオリン)販売・専門店・
弦楽器サラサーテ・東京(渋谷)から25分

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初心者の方はどのような楽器を持つのが良いか 2 (後に f-hole に転載 )

インテルメッツォの第15回です。

今回は前回の続き、 初心者の方はどのような楽器をもつのが良いかです。

楽器は道具です。 上手くなってからでは遅いのです。 むしろ、少しでも早く上手くなるために 良い楽器(道具)を使うのだと私は考えます。

ヴァイオリンを長く続けないと予め決めているのでしたら、 値段が安くて、音さえ出ればどんな楽器でも良いと思います。 ですが、上手くなりたい、長く続けたいという気持ちで始められるので あれば楽器(道具)は非常に重要です。 それに、安い楽器を買ってもすぐに買い替えるようでは、経済的にも結局無駄が生じます。

だったら、その分を、最初からつぎ込めば良いものも買えます。

結局、初心者用の楽器と銘打って販売されている楽器の正体は、 量産楽器で、もし途中で学習をやめてしまっても、 お客さんの懐が傷まないように、売り手サイドで適当に価格設定をした 楽器ということなのです。 初心者の方が何とかして上手くなるようにとか、できるだけ弾き易い 楽器をというような気持ちはこれっぽっちも含まれていないのです。

話はがらりと変わりますが、 包丁はスーパーで買えば1,800円ぐらいで買えます。 ところが、刃物専門店に行って買おうとすると最低でも5,000円は してしまいます。
専門店の話では、お薦めは10,000円ぐらいのものだと言います。

1,800円の包丁も10,000円の包丁も切れることには変わりありません。 10,000円というと、随分高く感じますし、贅沢にも思えます。 しかしながら、手入れをしながら、長く使うことを考えると、 やはり10,000円のものには1,800円の包丁は勝てません。

良い包丁は、切れ味が持つばかりではなく、少し砥ぐと すぐに切れ味が回復します。 また、適度の重量があり、手に馴染む感じがし、使い易いのです。
安い包丁は切れなくなると、いくら研いでも刃先がシャープな状態に 戻りません。 切れなくなったら、また買い替えです。 また、何となく持ったときの質感が頼りありません。

これは専門家に聞くと、製法の違い、材料の違いだそうです。
包丁もまた量産化の恩恵を被ることのできなかったものの一つなのでした。

良い道具の条件とは、手入れがしやすいこと、使いやすいこと、体に馴染むことでもあります。 それが、長く使えること、使い心地がアップすることにつながります。

良い包丁を持てばトマトなどもスパっと切れます。 良い包丁はその切れ味が持続します。 良い包丁は少し研ぐだけで、切れ味が回復します。

切れない包丁を使うと切れなくてイライラするだけでなく、 刃がすべって手を切ったりして危険でさえあります。

悪い道具は危険さえ産み出すのです。

楽器の場合は悪いものを使っても怪我をしたりすることはありません。 何も命に別状はないと思います。 しかし、あなたの耳(感覚)を傷つけ、 音楽生命にも影響があると言ったら脅かしすぎでしょうか?

本格的材料、伝統的製法によって作られている『本物』の楽器こそ初心者の方に真っ先に触れていただき使っていただきたいものなのです。
次回も続いてこの話題に関連することをもう少しお話ししたいと思います。

次回の更新は20日ごろを予定 しております。お見逃し無く。