名ヴァイオリニストの歴史 EMI TOCE-9601~5
東芝EMI TOCE-9601~5 定価 7,646円
167歳(?)のヨアヒムから18歳のサラ・チャンまで
EMI創立100周年記念企画として発売
古今東西のヴァイオリニスト62名がまとめて聴ける画期的なCDである。
中村 稔氏による各演奏家の紹介文も簡潔、明瞭でわかりやすい。
ヴァイオリン愛好家(おたく)必携のCDと言えよう。
この解説文を読むためにこのCDを買っても惜しくありません。
登場するヴァイオリニストは
ヨーゼフ・ヨアヒム パブロ・サラサーテ ウジューヌ・イザイ アルノルト・ロゼー ウィリ・ブルメスター カール・フレッシュ アンリ・マルトー フリッツ・クライスラー ジャック・ティボー ヤン・クーベリック ジョルジュ・エネスコ ブロニスワフ・フーベルマン マリー・ホール パウル・コハンスキー ミッシャ・エルマン アドルフ・ブッシュ ヨーゼフ・シゲティ フランツ・フォン・ヴェッチェイ ヤッシャ・ハイフェッツ ジノ・フランチェスカッティ ナタン・ミルシテイン エリカ・モリーニ マックス・ロスタル アルフレード・カンポーリ ジョコンダ・デ・ヴィート ダヴィッド・オイストラフ ウィリ・ボスコフスキー シモン・ゴールドベルク ヴォルフガング・シュナイダーハン ユーディ・メニューイン ヘンリック・シェリング |
ルジェーロ・リッチ ジネット・ヌブー ローラ・ボベスコ アルテュール・グリュミオー ゲルハルト・タシュナー イヴリー・ギトリス ヨゼフ・ハシッド レオニード・コーガン ミシェル・オークレール ヨハンナ・マルツィ イダ・ヘンデル フランコ・グッリ ドゥヴィ・エルリ ヨーゼフ・スーク クリスチャン・フェラス マイケル・レビン サルヴァトーレ・アッカルド ウルフ・ヘルシャー ウラディミール・スピヴァコフ ウート・ウーギ ギドン・クレーメル ピンカス・ズッカーマン チョン・キョンファ オーギュスタン・デュメイ ドミトリー・シトコヴェツキー ナイジェル・ケネディ ナージャ・サレルノ=ソネンバーグ アンネ=ゾフィー・ムター フランク・ペーター・ツィンマーマン クリスティアン・テツラフ サラ・チャン |
ヨアヒム、サラサーテ等の歴史的録音が聴けるのと、
名教師カール・フレッシュの演奏が聴けるのがうれしい。
この中の私のベストはヨゼフ・ハシッドである。
ハシッドの演奏を聴いた、かのクライスラーは「200年に一度の逸材。」と褒め称えたそうだが、 彼のハイフェッツに匹敵するような
素晴らしいスピッカート(弓を飛ばして短く音を出す)と 気品に満ちた音色、自由奔放な音楽性を聴くにつけ、
その表現が決して誇張ではないことが 理解されると思う。
残念ながらハシッドは若くして(27歳)で脳手術の失敗のため 亡くなる。そのため残された録音もごくわずかである。
こうやって5枚のCDを聴いてみると、昔は良くも悪くも、皆個性的だったことが判る。
今の人たちは正確に速く弾くことだけを考えて、何か大事なものを忘れてきてしまったように思うのは私だけだろうか。